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ライター:セッキ―

2024.08.13

【実例レポート】パパ社員の育休最前線~4社の事例~

皆さんの会社では、男性のいわゆる“パパ社員”さんは、どれくらい育休を取得していますか?
どうしても母親のものというイメージがついている「育休」ですが、父親であるパパ社員はどうでしょうか。

今回は、男性社員の育休取得について、実際に取得をした方の4社の事例を取材させていただきました!取得のきっかけ、取得期間は、何人目のお子さんか、奥様の状況や会社の反応など、2児の母である筆者の考えも交えながら、考察していきたいと思います。

通常の育休は男性でももちろん取得できますが、男性が取得しやすくなるよう設計された「産後パパ育休」がありますね。2022年の育児・介護休業法の改正によって施行された育休制度です。【出生後8週間以内に2回に分けて4週間まで取得可能】なので、例えば、ママの退院時に2週間、里帰りから帰宅するタイミングや一か月健診を終えたころに2週間など、状況に合わせた取得が可能です。

これからご紹介する4人のパパ社員さん、制度を上手に活用して過ごした貴重な体験をお伝えしていきます。

◇CASE1◇
QQEnglish/KWさん

営業開発部マネジャー
事業内容:オンライン英会話スクールの運営
勤務スタイル:週5日勤務(フレックスタイム制)
育休取得期間:2023年3月~4月(1人目のお子さん誕生時、30日間)


営業開発部のマネジャーを務めるKWさんは、フレックスを導入しつつ週5日の勤務。4例の中で一番最近取得されたパパさんです。お子さんが生まれた翌年の4月から、奥様の職場復帰に向けて保育園も無事に決まり、その“慣らし保育”期間を含む約一か月で取得したという事例。

KWさん
「4月から始まる保育園の慣らし保育の期間で育休をとることで、職場復帰を予定している妻のサポートに回ることができました。すぐに承諾を得ることができたのは、フレックスタイム制を活用して仕事と育児の両立をしている社員が多い職場であること、また相談したCOO自身も2歳の子供の父親であり、育児の大変さを知っていたという背景があったからだと思います。自分が不在時にチームを不安にさせないため、他部署のマネジャーにも協力を仰ぎ、繁忙期でも乗り切ってもらうことができました。

また育児での一番の気づきは、事前の段取りです。一日の流れ・段取りをしっかり頭に入れておくことは、イレギュラーがつきものの育児には重要な備えになります。他にも、エレベーターの設置がない駅が多いことにも気づかされました。ベビーカーや車いすの人にも優しい環境が整うといいなと感じました。」

新しい組織体制が組まれることの多いこの時期の育休取得によって、奥様はフルタイムで仕事復帰、新しいプロジェクトに参画することもできたそうです。どの時期に取得するか、はかなり重要な視点だということがわかります。また、育児における一日の段取りをしっかり頭に入れておくことは、普段の業務でも役立つ姿勢ですね。

KWさんの育休取得後、「育児休暇って女性だけでなく男性も積極的に取得していいんだ」という認識が社内で広がっているそう。多くの社員から、具体的な質問や相談をされているそうですよ^^



◇CASE2◇
株式会社キャリー・オン/TSさん

サービスエンジニア/課長
●事業内容:給排水装置、空調設備等の保守・保全
●取得期間:2023年9月(2人目のお子さん誕生後、20日間)


生きるために不可欠な水のインフラに携わる仕事であることから、昼夜問わず現場作業に当たることも多く、長期休みを取ることにためらいを感じていたというTSさん。取得のきっかけはご自身ではなく、総務部長から背中を押されたというケース。生まれたばかりの赤ちゃんに加え幼稚園児の上のお子さんへのケアも必要な時期に、20日間の取得をされました。

TSさん
「現場第一で仕事をしてきたので、正直育休を取ることなど頭にありませんでした。妻の妊娠と出産予定を社に報告したところ、総務部長から、2人目の出産では妻が大変だろうから、と育休取得を提案されました。日頃から社内の交流が密であり、お互いの家族の状況もよく理解している当社だからこそと感謝しています。

正直、夜勤にも慣れていた自分にとって、毎晩3時間おきに起きてミルクをあげるという作業がこんなにも辛いものだとは思ってもみませんでした。改めてこれを一度はワンオペで向き合った妻の大変さを痛感しました。また、24時間365日待ったなしで対応する育児と、水インフラの保守業務とが重なり、より一層家族への責任感と仕事への使命感が高まりました。」


育休取得など全く考えていなかったご自身が、2人目にして育児の大変さを痛感し仕事への向き合い方まで変わったのですね。今後、子を持つ社員にもこれからという若手社員にも、この体験談を共有し、より働きやすい環境づくりに活かしたい、と意気込んでいらっしゃいます!来月から育休に入る男性社員がお一人いるので、周りの社員が全力でバックアップする体制がいままさにつくられているそうですよ^^



◇CASE3◇
八千代エンジニヤリング株式会社/YSさん

シニアアソシエイト
●事業内容:総合建設コンサルタント
●仕事内容:新規事業開発、社内イベントの企画・運営等。現在は自社開発のクラウド設備保全システムのカスタマーサクセス担当
●勤務スタイル:出産前/9:00-20:00(在宅週1日)、出産後/9:00-18:00(在宅週2、3日)
●育休を取得した期間
①出産直後/2023年1月より約5か月半 ②妻復職時/2023年10月より約6ヵ月半


シニアアソシエイトのYSさんは、奥様が同じ職場で働いています。妊娠がわかったときから取得を考え始めたという“意識高い系”パパ社員さん、奥様を心身ともに支えたい、という想いから、出産直後と奥様の復職時の二度にわたり取得されていて、奥様がいる状況といない状況を両方体験されているわけですね。上司からは、「育休中は会社のPCもスマホも一切見ないで楽しんで」と温かい言葉で送り出されました。

YSさん
「子供の成長を見届けたい、また妻を心身ともに支えたい、という想いから育休取得を希望していました。どのように伝えるべきか悩んでいたところ、上司のほうから育休のことを切り出されたのでとても安心したことを覚えています。同じチーム内に育休取得メンバーがいるため早めの復職を希望する妻と、取得タイミングや期間についてはよく話し合いました。

プロジェクトの途中で抜ける罪悪感や復職時の不安から、当初はついついメールチェックをしてしまっていましたが、緊急時以外には連絡は来ず、育児に集中できる環境を配慮していただき感謝しています。

独身の頃、子供の面倒を見るために早く帰宅する先輩を見て、正直ピンと来ていませんでした。こんなに大変な育児を体験した今、今後周囲に子供が生まれた人がいたら、自分がしてもらった以上の配慮をしていきたいという気持ちになれました。」


日々お子さんは成長していますから、まったく違った状況で育児に向き合うことで、得られるものはかなり大きかったことでしょう。YSさんのほかにも取得した方、取得予定の方もいて、育休のことを上司に相談するタイミングや、社内手続きなどについて相談を受けたそうですよ。

YSさんは、復職後「残業できます!」と伝えたところ、上司の方は「残業は無限にできてしまうから、一緒に働き方のルールを決めよう」と言ってくださったそう。不安な気持ちがある中での復職、こんな言葉をもらえたら温かい気持ちになりますね。会社全体がハッピーになれる働き方を心がけている様子がよくわかります。



◇CASE4◇
株式会社シンクスコーポレーション/TEさん

アルミ切断課チームリーダー
●事業内容:非鉄金属切断、切削加工業
●お子さんの人数:3人(長男:8歳、長女:6歳、次男:2歳)
●期間:2022年6月~2024年1月 (1年7か月)


アルミ板材の切断と課員指導にあたる、3児の父であるTEさん。3人目のお子さんで初めての育休取得です。しかも1年7か月という、驚きの期間の長さ。3人目ということで奥様の負担を第一に考え、じっくり1年の取得を決めたところ、上司の方からは「もっと長くてもいい。ぜひ今後の男性社員のために実績を作って欲しい」と応援されたそうです。

結果、TEさんは半年延長、1か月延長という制度を1度ずつ利用し、合計1年7か月取得!どんな学びがあったでしょうか。いくら会社に応援されていてもいろいろ不安が出てきそうですね。上のお子さんたちで育児のことはわかっていたはずが、改めてその大変さを実感したそうですよ。

TEさん
「3人目の妊娠がわかったとき、奥さんのサポートと子供の成長に関わりたいという想いで1年の取得を決意しました。ただ、管理職である自分が長期にわたり休むことで会社に悪影響はないのか、不安はありました。

子育ての中で得ることができた「心の余裕」、「人への伝え方」、「相手の言いたいことを汲み取る力」について、仕事に活かすことができると感じています。今まで、部下に対して「なぜできないのか?理解してくれないのか?」といった考えも今では減り、心の余裕から思考の切り替えができるようになって、部下からの相談や報告が増えました。特に管理職の方やそれらを目指している方こそ取得するべきだと思います。」


こんなに長く休んでいたらもう働くことが嫌になってしまいそうですが(笑)、管理職として仕事に活かせるほどの気持ちの変化も楽しみながら、育休期間中の一日一日を大切に過ごされていたことがうかがえますね。

また、1年の育休をさらに7か月延長した背景について、教えてくださいました。保育園などの新年度は通常4月ですから、生まれたタイミングによっては1年ちょうどでは保育園に空きがない=育休を延長せざるを得ない、というのはよくあるケースです。TEさんの場合はどのような背景があったのでしょうか。

TEさん
「自宅と保育園の距離を、“夫婦とも仕事に支障が出ない”ことを基準に考えていました。 遠くの保育園への送迎のために時間を要し、仕事や私生活に負担がかかるのでは意味がないと考えたからです。1年ではその基準に見合う園に受け入れがなかったため、育休を延長することにしました。幸い、会社からも快く延長を受け入れてもらえて良かったです。この保育園の問題については、国からのサポートがもう少し手厚ければ良いなと思います。」

延長した理由、なるほどそうだったのですね。例えばきょうだいで別々の園に通わなければならない、などはよく聞く話。筆者のママ友でも、家から最寄り駅への方向とは反対方向にある園に通うことになって苦労している知人がいました。保育園関連、多方面で課題があると思うので難しい問題ですが、国全体のサポートがもっとほしいと誰もが思っていることですね。

TEさんの育休1年以上という実績から他の社員へも刺激となり、なんと現状13名の実績となっているそう!「自分も奥さんを手助けしてあげたい」と話す社員が多く、復帰後には「生まれて間もない子供の育児に少しでも関われて、良い経験が出来た!」といったポジティブな感想が多いのだそうです。

         *     *     *

どうしたら男性が育休をとりやすくなるか

今後も男女とも育児休暇をとりやすくなるために、皆さんのご意見をきいてみました。

●組織体制・職場の理解
・業務の属人化を防止する=育休取得者が出た際にバックアップできる体制づくり
(QQEnglish/KWさん、シンクスコーポレーション/TEさん)
・男性育休のロールモデルとなる社員を作る(シンクスコーポレーション/TEさん)
・育休から復帰後の処遇・待遇について明確に伝えてもらう(シンクスコーポレーション/TEさん)

4事例に共通して、上司の方の理解が深かったですね。そもそも柔軟なワークスタイルを導入できている会社さんや、働き方に関する制度を常にアップデートしているような感度の高い会社さんなら、長期間お休みした際に対応しやすいと言えます。

ですがケアしなくてはならないのは、休む社員さんの業務をフォローする社員さんたちのこと。会社側が育休取得に理解があると、会社としての見え方はいいと思いますが、その人の業務をゼロにするわけにはいきません。周囲の社員さんに目を配ることは、育休社員さんと同レベルでやらなくてはならない重要マターだと筆者は思います。

●社会全体での意識改革
もう一つは意識の問題、とみなさんおっしゃいます。

・国の制度が変わり、男性も育休を取得しやすくなったとはいえ、まだ育児は男性が「手伝うもの」として捉えている方が多い(八千代エンジニヤリング/YSさん)
・社会全体として男性が育休を取るのが「普通のこと」になる、”お互い様”という職場の雰囲気はとても大切(シンクスコーポレーション/TEさん)
・実際に育児を経験し大変さを理解できる人が増えれば、自然と男性の育休が当たり前の世の中に変化していくと思う。ドラマ、映画、アニメの様な作品や報道、TV番組、SNSのインフルエンサー等を活用して、人々の意識を変えていくのもアリ(キャリーオン/TSさん)

         *     *     *

今回は実際に育休を取得された男性社員さん、4人の貴重なお話をご紹介しました。
共通していたのは、育休取得後同じような境遇の方への理解が格段に深まった、ということではないでしょうか。辛い悲しいことを経験した人のほうが他人に優しくなれる、というのと同じで、育児で大変な思いをした経験があれば、これから育児をする人にも気持ちを理解してあげられるということ。また、育児に向き合ったことで、仕事に対する姿勢に影響したという方も多かったですね。

出産したママ社員も、その夫のパパ社員も、育休をとる社員の休み中の仕事をフォローする立場の社員も、はたまた取得の手続きをする人事担当さんも、みんながハッピーになれる制度ができるといいですね。ご協力、ありがとうございました!

セッキ―

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ライタープロフィール

整理収納アドバイザー(準一級)、防災士。2014年入社、当社で初めてライターに挑戦。キャリアのスタートは銀行員、その後リクルートグループ、大手税理士法人、スポーツアパレルなど複数の事業会社で管理部門、企画部門、秘書などを経験しながらカルチャーショックのシャワーを浴びまくる。2度の高齢出産を経て復職し、現在家事・育児・リモートワークに奮闘する毎日。無類のコーヒー好きで趣味はハンドメイド。いつかはインタビューされる側になりたい!

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