ライター:セッキ―
2022.02.09
育休を取得し、復帰して働く女性社員は周囲に少なくない世の中です。
妊娠中や育休取得中の悩みを、皆さんならだれに相談しますか?
また、奥さんが出産したばかりのパパ社員もたくさんいるはず。パパさんなんてもっと相談先が少なそう、、、
産休育休中の孤独感や、復職時のモヤモヤなど、企業として向き合いにくい課題に新米ママさんが挑戦!過去にオフィス取材を二度ほどさせていただいた、ポニーキャニオンさんの新たな取り組み「パパママ社員サポート」を取材してきましたよ。
コロナ前はフル出社が基本だった株式会社ポニーキャニオン。2019年の大規模オフィス移転完了後、コロナ禍による出社減をきっかけに2021年オフィスのリニュアルを実行。ABWやフリーアドレスを導入し、グループ企業も集結、さらなる発展が楽しみな企業さんです♪
◎過去の記事はこちら
→ついにABW導入!ポニーキャニオンの進化したオフィスに行ってきた!
→ポニーキャニオン:移転を機に生まれる、イノベーションと意識変革!
そんな中、2人の新米ママ社員の発案からこの制度は生まれました。さてさてどのような制度なのでしょう、早速ご紹介します!
■パパママ社員サポートとは
【1】気軽に相談できる窓口の設置
まず、一番初めに実施したのは【パパママ社員サポート窓口】の設置。人事総務とは別の専門窓口をつくるだけで、社員に優しい会社って感じます!
例えば復職前に不安な気持ちを話したくても、いきなり人事部に、となるとちょっと本気の相談になっちゃう、、、発案者のお2人が窓口になっているとのこと、先輩ママなら聞きづらいことも気軽に相談できそうですね。
【2】「ポニーキャニオンパパママ手帳」の配布
人事の担当さんが全員、出産や育休を経験してるわけじゃない。他の業務もある中で、隅々まで説明できない状況もある。もしかしたら皆が知らない制度がまだあるかも、、、そこで、独自の「パパママ手帳」なるものを作成し、配布!これは嬉しい♪
初めての妊娠はわからないことだらけ。例えば、、、
・妊娠がわかってからいつ上司に報告する?
・給付金っていくらもらえるの?
・もし保育園にスムーズに入れなかったら?
・育休中社会からの孤立を感じる…
こういった疑問や不安を解決する情報に加え、同社内の先輩パパママ社員の体験談も盛り込まれているそうです!便利に役立つ、そしてなんだか嬉しい気分になるピンクの資料です♪
【3】パパ社員、ママ社員のコミュニティを作る
育休中、社会から取り残されたような気持ちになるのは“ママあるある”です。
寂しい気持ちになりがちなママさんのために、社用LINEアカウントを活用し、ママ社員が気軽にコミュニケーションできるコミュニティーを作りました!育児×業務というテーマにこだわらず、なんでもありの場になっているそう。家事のコツなんかも聞けそうですね!
まずはママから、段階を踏んでパパ社員用も始めていきたいそうです。どんな話が出てくるのか、ちょっと聞いてみたいですね!
今は未就学児のママさんが対象だけど、盛り上がれば小学校コミュニティ、思春期コミュニティなど広がっていくのもよさそう♪
【4】パパママ社員・上司向けの研修
子育てと仕事の両立に関する研修を段階的に実施していくことを検討しており、まずは子育て中の社員と上司を対象とした研修を実施予定とのこと。例えば、上司の方が気を遣って言ったつもりでも、本人は「期待されていないのかも?」と受け取ってしまうケースもありますよね。
パパママ社員にとっては今後のキャリアイメージを作っていく参考に、上司の方はマネジメントのポイントや部下とのコミュニケーションのありかたを学んでもらう機会になってとってもいいですね!
さて、パパママ社員への配慮が最大限感じられるステキな取り組みをご紹介してきましたが、どのようにして生まれたのでしょうか。復職後、人事総務部に配属となった高橋夏穂さんにお話を伺いました!
■ママ同士の情報交換から生まれたチャレンジ
入社9年目の高橋さんは、1年半の育休を終え復職したのが2019年5月のこと。現在4歳のお子さんを持つママさんです。
人事総務部/高橋夏穂さん
―パパママ社員サポートを作ったきっかけを教えてください
高橋氏(以下敬称略)「私はもともとマーケティング部でしたが、復職時の面談で、会社と自宅が遠いことや、慣れない育児との両立で不安もあったことから時短を希望し、人事総務部に配属になりました。
同じ時期に復職し、アニメクリエイティブ本部で働いていた1つ年上の先輩と情報交換をする中で、今後の働き方や家事・育児との両立について、頻繁に意見を交わすようになっていました。
ポニーキャニオンは時短制度も利用できるし、上司や同僚は子育てと仕事の両立に理解があってとても協力的で、子育てしやすい会社だなとは思っていました。でも、子育てしながら自分の望むキャリアを実現できるのだろうか?とモヤモヤしていました(笑)なんとなく、エンタメ業界で子育てと仕事を両立するって当時はイメージしづらくて、でも先輩も私もエンタメ業界で続けていきたい。それならば、と自社を変えるチャレンジをしてみることになりました。」
―ご自身が体験してみて感じたことを活かした素晴らしい取り組みだと感じます!
高橋 「ありがとうございます!先輩ママ社員から自分の時にもあったらよかった、という声をいただくこともあります。
妊娠・出産ってすごく嬉しいことですが、会社や仕事関係の人にどう伝えようとか、迷惑かけてしまうかなとか、不安も大きいと思うんですよね。そんな中産休前にされる説明が事務的だと少し冷たい印象を受けてしまったり。復職時にも、1年以上も会社から離れていて会社の様子が分からないままいきなり人事本部長との面談というのは、正直ハードルが高いと思いました。妊娠が分かったタイミングや産休前、復職前に気軽に相談できる体制を作りたかったんです。そして妊娠~復職の間でその時々の不安を取り除けるようにするためにパパママ手帳を作りました。
説明書類がイラスト入りでピンク色だと、ちょっと嬉しい気持ちになれるかなと、思って優しいデザインにしました。パートナーの方と一緒に読んでください、と言って渡しています。」
―ステキな気遣いだと思います!ぜひパートナーと一緒に読んでもらいたいですね。
■ママが活躍するためには男性の環境変化が重要
高橋 「最初は【ママ社員サポート】にしようと思っていたのですが、男性が積極的に家庭に入り、育児しやすいようにしていくことこそが、ママ社員が活躍しやすくなる土壌を培うことにつながると考え、【パパママ社員サポート】にしました。
コミュニティ作りや研修など、段階的ではありますが、今後パパ社員へのサポートを増やしていきたいです。パパ社員はママ社員ほど気にかけてもらえないものなのですよね。」
―確かにそれは言えますね。時代の風潮や、コロナのように世の中に起きる出来事によっても、働き方は大きく変化してきていますが、ご自身はいかがですか。
高橋 「はい、当社でもリモートワークが導入されてから、私自身は時短勤務からフル勤務に戻すことができました。
そして今回、パパママ社員サポートの立ち上げを通して、組織や働き方についてすごく考えるようになりました。
部署間の勤務時間の偏りを解消するには?とか、もっと業務の細分化をしたら?とか、この役職のなすべき業務範囲はどこまで?など、もっと子育てしながら働きやすい環境にするにはどうしたらよいかを常に考えています。パパママサポートという枠を超えているかもしれませんが。(笑)」
―いろいろな切り口があると思いますが、会社をよくしていきたいという姿勢が素晴らしいと思います^^
今日はありがとうございました!
◆編集後記◆
以前から感じていましたが、同社はとにかく社員が自ら動き、やろうとすることを後押ししてくれる会社ですね。やりたいと言い出した人には、その活躍の場を与えてくれる、会社の雰囲気というか懐の深さを感じます。
今回の取り組みは、ママだけでなくパパさんにもきちんとサポート体制をとっているところがポイントではないでしょうか。家事を半々に、と思っていてもそうさせない実情が会社にあるのならそれを変えていかないとどうにもことは動きません。国や社会全体の問題が大きいところではありますが、まずは会社からということでぜひ頑張っていただきたい!今後も同社の進化を楽しみに見守りたいです。
Information | 株式会社ポニーキャニオン https://www.ponycanyon.co.jp/
〒106-8487東京都港区六本木1-5-17 ポニーキャニオンニュースはこちら→https://news.ponycanyon.co.jp/2021/11/62517 |
---|
ライタープロフィール
整理収納アドバイザー(準一級)、防災士。2014年入社、当社で初めてライターに挑戦。キャリアのスタートは銀行員、その後リクルートグループ、大手税理士法人、スポーツアパレルなど複数の事業会社で管理部門、企画部門、秘書などを経験しながらカルチャーショックのシャワーを浴びまくる。2度の高齢出産を経て復職し、現在家事・育児・リモートワークに奮闘する毎日。無類のコーヒー好きで趣味はハンドメイド。いつかはインタビューされる側になりたい!
ライタープロフィール
整理収納アドバイザー(準一級)、防災士。2014年入社、当社で初めてライターに挑戦。キャリアのスタートは銀行員、その後リクルートグループ、大手税理士法人、スポーツアパレルなど複数の事業会社で管理部門、企画部門、秘書などを経験しながらカルチャーショックのシャワーを浴びまくる。2度の高齢出産を経て復職し、現在家事・育児・リモートワークに奮闘する毎日。無類のコーヒー好きで趣味はハンドメイド。いつかはインタビューされる側になりたい!
オフィスの日常運営におけるニーズやオフィスの構築・移転・改修に関するご相談、お問い合わせに、経験豊富なスタッフがお答えいたします。お問い合わせ・資料請求はお気軽にどうぞ。