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気になるワダイ!
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ライター:セッキ―

2020.03.11

【緊急特別企画】800人のテレワーカーを束ねる私が、テレワーク初体験。(工藤博樹氏:メリービズ/代表取締役)

新型コロナウィルスの影響から、テレワークの推進が早まった企業も多いのではないでしょうか。

こんなご時世ですので、緊急企画として「テレワーク、実際やってみたらこんな感じだった!」をお届けしたいと思います!

今般の件で、筆者も多くの訪問取材アポを延期せざるを得なくなりましたので、WEB会議システムのzoomを活用し取材させていただきました!

お話を伺ったのは、「経理を中心とした事務作業のリモートワークチームを作る!」をモットーに事業を展開する、

株式会社メリービズの代表、工藤博樹さんです。
そう、800名を超える全国(海外を含む)に散らばる登録スタッフの方々が、すでに普段からテレワークに従事しています!!もうテレワーク社員を束ねるプロじゃないか。と思いますよね。でも、本社オフィスに常時出社している20数名の社員の皆さんは、毎日テレワークをしているわけではなく、全然慣れてはいなかった。それはオフィス大好きな工藤社長も同じだったんです。

さあ、そんなメリービズの皆さんが毎日の出社を制限され、テレワークに従事・・・一体どんな状況になっているんでしょうか!?根掘り葉掘り聞いてみたいと思います!

―まずは事業内容を教えてください。

「経理を中心とした事務作業のリモートチームを用意する」サービスを展開しています。経費精算のほか、営業事務(請求書発行など)や一部のお客様では給与計算などの労務の作業を請け負います。

―現在の体制についても教えてください。

普段オフィスに出社するのは、正社員、役員、パート・アルバイトなど全部で23名ほどです。上記の事務作業を担当してくれる「登録スタッフ」は、現在約800名。全員テレワークで、海外を含め全国に在籍しています。うち9割が女性、6割がお子さんをお持ちのワーキングパパ&ママです。

―今回のコロナの影響で普段オフィスに出社している社員もフルリモートに、という指示を出されていますが、皆さんの反応はいかがですか?

基本は全員ノートPCを使っていて、それを持ち帰って仕事してもらってますが、みんなそれぞれ環境が違って、お子さんが休校になっていたり、Wi-Fiが調子悪かったり、人によっては机がないとか。

―机がない、ですか?

一人暮らしだと、食事をするためだけのローテーブルしかない人もいるんです。床にじかに座ってずっと仕事するのって辛いですよね。家族がいる方も、例えばお子さんがいる人はリビングを使えないからと、寝室の隅っこを使うとか。あまり聞かれたくないミーティングのときは子供部屋を借りて、作業はリビングで、みたいにちょこちょこ移動して仕事する人も。いろんな話が出ていますね。

―いざやってみると、いろいろな課題が見えてきたということですね。

はい。先日、朝会を全員WEB参加というかたちでやってみました。そのときに「いま実は長女の部屋にいます」とか、「ポケットWi-Fiが調子悪いので近くのコワーキングスペースに来ました」とか。生々しい実態を確認できました。

―工藤さんは、普段から家でのテレワークはやっていなかった?

全然やっていませんでした。基本はオフィスに出社する方が好きですね。実際やってみると、子供たちは春休みに入ったので、「パパお休みなの?ニンテンドースイッチしようよ~」とからまれます。あと奥さんに「宅急便出て~」と面談中なのに言われたり(笑)。

―わかります(笑)。私もミーティング中に“ピンポ~ン”って(笑)いざ自宅でテレワークするとなると、場所を確保できないと難しいですよね。私は千葉在住で、昨年台風で電車がストップした際に、初めて夫婦そろってリビングでPCに向き合う、という経験をしました。TVをつけながらでも音楽を聴きながらでも仕事できる夫と一緒に仕事する、というのは苦痛で仕方なかったです。仕事のやり方はひとそれぞれ違うので気を遣いますね。

ほんと、そうです。空間の使い方も工夫が必要だし、机とWi-Fiだけあればいいのかと思っていましたが、そうではないことに今回気付かされました。

「全社員フルリモート」体制はいったん期限付きでやっているので、専用ルールは作らず個別対応していますが、今後状況を見ながら整備していく必要があるかもしれないですね。

―社員の皆さんも普段からテレワークはしていなかったのですか?

月に2回はテレワークをしてよい、という制度はあって、お子さんの体調不良や役所関係の用事などで皆さん利用されているんですが、毎日となるとやはりいろいろ問題が出てきますね。

もともとこの制度を用意したのは、登録スタッフのテレワーカーたちと一緒に仕事しているうえで、したことがない人にはその人たちの気持ちを理解できない、理解するためにやっておいたほうがいい、ということで制定しました。自分でも実際やってみると、WEB会議では無表情でいると相手に誤解を生む、とか大きめに頷くことで伝わりやすいんだな、とか気付きがあります。チャットでも、単にありがとう、と送るだけでなく絵文字をそえるだけで気持ちのニュアンスもうまく伝わります。

―たしかにそうですよね。メンタル面のケアも課題とおっしゃってましたが。

はい、これはもともと課題として感じていたことなんですが、登録スタッフさんたちとのコミュニケーションは、顧客のグループやプロジェクトなど10人程度の単位で、チャットが中心です。これがどうしても業務連絡にとどまってしまい、雑談が少なくなってしまうんですよね。そこは何とかしなきゃと思っているんです。

そんな中「全社員フルリモート」をやってみると、一人暮らしの人なんかは「今日まだ一言も声を発してない。」という感想もあって。孤独感を持つ人は結構いますし、自分はというと、在宅は向いてないな、と思いますね(笑)。同じ場所にいると飽きてくるんですよね。家にはうろうろするスペースがなくて。

―わかる気がします。向き不向きもありますよね。
社内ミーティングだけでなく、採用面接もWEBでやるというご指示ですが、そのあたりはどうですか。


採用に関しては、一次は全てWEBで、二次は直接面談としています。一度も直接会わずに採用するというのはなかなかできないですよね。お互いに難しいと思います。

営業に関しては、コロナに関係なく、地方の顧客とのコミュニケーションは基本WEBにしているんです。新規でもです。営業部門のリソースも少なく、コスト的にも合理的なので。営業という特質として、疑問を持たれることが多いですけどね。特に地方のお客様には嫌がられる傾向あります。

―今何が起こるかわからない世の中ですから、WEBによる営業のしかたも理解が進むといいですよね。

―少し脱線するんですが、最近アップした記事で、日本IBMの元社員の方で、ユニバーサルデザインを研究しコンサルしている方を取材しました。
※【気になるこの人!】関根千佳:ユーディット/会長兼シニアフェロー
PART1「だから日本にはユニバーサルデザインが根付かない」
PART2「ユニバーサルデザインは福祉でなく、”公共の利益”」

お話によれば、米国IBMでは20~30年前からテレワークや電話会議が当然だった。さらに障害のある方も一緒に働いていて、その方たちが使いやすいオフィスや設備を整えている、と。社風もダイバーシティが徹底されているということでした。工藤さんも日本IBMご出身ですが、普段からテレワークを取り入れているとか、社員のメンタル面を気遣ったりとか、ちょっとリンクしてしまったんですが、その頃の影響はあるのでしょうか?

学んだことを活かしているという意識はないですが、確かに同期で車いすの方はいましたね。ほかの日本企業ではあまり見かけないですよね。

僕がMBAを取得するために通った大学では、ダイバーシティを強く意識していました。女性活用はもちろん、多様な国籍や宗教が交わる場で、お互いの違いを理解しあうことを大事にしている学校でした。僕自身カナダ出身なんですが、少数民族の黄色人種の私がカナダで非常に苦労した、という経験もしています。いま日本でも就労をはじめ、外国の人は苦労しているし、女性も障壁になる場面が多いことは残念。みんながフェアでやれればいいな、という理想はすごくあります。

いまテレワークで活躍する登録スタッフの中にも、なかなかフルタイムではできないとか、近くに良い職場がないとか、いろんな障壁がありました。そんな機会の不平等さを解消するためには、テクノロジーの活用や考え方を柔軟に持つことで変えていけると信じています。社会的課題の解決―この会社を始めた当初の動機はそこなんです。

―最後に、この状況に対して一言お願いします。

新型コロナの件はとても残念だし、いま苦しんでる方は非常に気の毒に思います。ただ、大きな危機を迎えるということは、新しく変わらなきゃいけないチャンスなのかな、とも思います。だいぶテレワークが一般的になり、導入する企業も増えてきました。これを通して新しい発見が必ずあります。働き方の常識が変わり、より多くの人たちが気持ちよく働ける環境が整う、そんな世界に近づいていってほしい。

社名の由来でもありますが“メリー”はハッピーを意味し、「メリービズ」は「ビジネスを楽しくする」という世界観。オフィス社員も、テレワーカーも、僕らと一緒に仕事してよかったと思ってもらえるように、お客様にもハッピーを届けられるように、と願っています。

―いいお話を聞けて、私もハッピーをいただきました!今回は緊急インタビューにご対応いただき、本当にありがとうございました!

        *        *        *       

現在、政府より小中高生の休校措置を要請され、子育て中の親ワーカーにとってはこれまでにない大変な対応を迫られています。メリービズさんでテレワークをしている登録スタッフの皆さんであれば、限りなく普段通りに近い仕事ができているのでは?と思い、登録スタッフさんの実際の声を集めていただきましたので、ご紹介したいと思います。

◎Aさん(女性、登録スタッフ歴2か月)
「テレワーク歴は導入側も含め10年になる、ワーキングマザーです。登録後からすぐ稼働させて頂き、充実しています。コロナの影響は信じられないほどまったくなくてビックリです!テレワークが、特に育児中のママ達に広まると良いなぁと思っております。」

◎Bさん(男性、登録スタッフ歴1年)
「いろいろ不安はありますが、構築されたリモートワークが真価を発揮してピンチを乗り越えることができたら、本当に素敵なことだと思います。このリモート環境に加わることができたことを光栄に感じています。非力だけど頑張ります!そして、国家レベルの非常時に、ご自身の経験・ノウハウを惜しみなく公表する代表のスタンス=お人柄に感銘です」
「世界中のリモートワーカー800名と働く メリービズのリモートワーク術」

◎Cさん(男性、登録スタッフ6か月)
「67歳、シルバー世代の自分でも務まるか心配でしたが、担当コンサルタントのきめ細かいサポートと分かりやすいマニュアルで問題なくテレワーク出来ました。40数年以上培ってきた経理のノウハウとIT好きの性格が活かせて、楽しく仕事させてもらっています。今日は小学校4年生と2年生の孫が臨時休校のため自宅で預かりながら仕事。テレワークでなかったら出来ませんでした。良かったです。ありがとうございます。」

        *        *        *       

テレワークスタッフの方にも信頼の厚い方だということがよくわかるコメントでした。
現在の同社のサービス利用社数は公表できないとしながらも、Yahoo!、クックパッド、コメ兵などの上場企業の導入が増えており、また伝統的な企業も導入が進んでいるなど順調に増加しているとのこと。同時にテレワーカーの登録スタッフもどんどん増えているということになりますね。

800名を超えるテレワーカーたちを束ねる工藤さんが、実際に毎日の在宅ワークに従事してみた体験談をお届けしましたが、そこから見えてきた課題もたくさんありました。「ピンチはチャンス!」という意味合いのこともおっしゃっていました。今後どのように解決し、また新たな道を模索して行かれるのか、オフィスの広場は楽しみにウォッチしていきたいです!

プロフィール工藤 博樹(くどう・ひろき) メリービズ株式会社 代表取締役社長 https://merrybiz.jp/

カナダ生まれ。カナダ、シンガポール、フランス、日本育ち。’94年六甲学院高校卒。‘00年東京工業大学修士課程修了 ’00年日本IBM入社、グローバルプロジェクトのプロジェクトマネージャーを担当。’08年INSEAD(仏)にてMBA取得。帰国後、経営戦略事務所にて大手企業向けの経営戦略コンサルティングに従事。’10年株式会社ロコンドの立ち上げに参画。’11年スローガン株式会社にて新規事業部門パートナー、同年GREEにてグローバルアライアンス担当。自身の苦労や周りの起業家の悩みから事務作業を楽にできるサービスを用意したいと考え、’11年メリービズ株式会社創業。'17年リモート経理チームの提供を開始。FinTech協会の設立に携わる。

2019年 テレワーク率100%!副業・フリーランスで活躍する「プロ経理スタッフ」の働き方満足度レポート
セッキ―

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ライタープロフィール

整理収納アドバイザー(準一級)、防災士。2014年入社、当社で初めてライターに挑戦。キャリアのスタートは銀行員、その後リクルートグループ、大手税理士法人、スポーツアパレルなど複数の事業会社で管理部門、企画部門、秘書などを経験しながらカルチャーショックのシャワーを浴びまくる。2度の高齢出産を経て復職し、現在家事・育児・リモートワークに奮闘する毎日。無類のコーヒー好きで趣味はハンドメイド。いつかはインタビューされる側になりたい!

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