ライター:一色先生
2026.05.28
こんにちは。一色です。
オフィスの快適性を左右する家具の代表格といえば、やはり「オフィスチェア」です。
レイアウト変更やフリーアドレス導入などに比べると、チェア選定は“地味なテーマ”に見えるかもしれません。
しかし実際には、社員が1日の大半を過ごす設備であり、身体負担・集中力・働きやすさに大きく影響する重要な要素です。
最近では、
「長時間座ると腰が痛い」
「在宅勤務後、オフィスチェアの快適さを再認識した」
「若手社員ほど椅子への感度が高い」
といった声も増えており、チェア環境の見直しは“福利厚生”や“生産性向上”の一環として捉えられるようになっています。
今回は、各メーカーや専門メディアで共通して紹介されている内容をもとに、総務担当者が押さえておきたい「オフィスチェア選びのポイント」を整理してみます。

1.まず重要なのは「サイズ」
多くの記事で最も重要とされているのが、「体格に合ったサイズ選び」です。
高機能チェアであっても、サイズが合わなければ疲労感は軽減されません。
特に確認したいのは次の3点です。
・座面の高さ
・座面の奥行き
・背もたれの高さ
例えば座面が高すぎると足裏が床につかず、太ももへの圧迫につながります。また、背もたれが身体に合わないと猫背姿勢や腰への負担が増える原因になります。

最近は背骨のS字カーブを支える「ランバー(腰部)サポート付き」や肩まで支える「ハイバックタイプ」を採用する企業も増えています。特に長時間の着座が前提となる業務では、姿勢サポート性能が重要になります。
2.「素材」で快適性は大きく変わる
チェア選定では、素材によって座り心地や運用性が変わります。
① メッシュ素材
通気性が高く、蒸れにくいのが特徴です。近年のオフィスでは採用されることも増えています。
特に夏場の快適性が高く、長時間着座にも向いています。
② ファブリック(布)
柔らかく温かみがあり、座り心地を重視したい場合に向いています。執務空間を少しやさしい雰囲気にしたい場合にも相性が良い素材です。
③ レザー・合皮
高級感があり、役員室や応接空間向きです。ただし蒸れやすさや経年劣化には注意が必要です。

最近は「見た目」だけではなく、
・清掃性
・耐久性
・メンテナンス性
まで含めて比較する企業が増えています。
3.「機能」は全部盛りが正解ではない
最近の高機能チェアには、
・リクライニング
・ランバーサポート
・ヘッドレスト
・アームレスト調整
・前傾機能
など、多くの機能があります。



ちなみに、あなたは腕の重さを意識したことがありますか?
人の片腕は体重の6%あるそうです。
(その内訳は手:1%、前腕:2%、後腕:3%で、筆者は片腕1・2・3%と覚えています)
体重50㎏の人であれば、片腕だけで3㎏あることになります。
アームレストがあると楽に感じるのも納得ですよね。
オフィスチェアの機能について説明しましたが、重要なのは多機能=最適ではないことです。
例えば
・短時間利用中心
・会議スペース用途
・ABW型オフィス
では、過剰機能がコスト増になる場合もあります。
逆に、
・エンジニア
・設計・デザイン職
・クリエイティブ職
など長時間着座が前提の部門では、高機能チェアによる疲労軽減効果が期待できます。
「誰が」
「どのように」
「どのくらいの時間」
使うのかを確認しましょう。
オフィスのファシリティを計画する担当者としては、“全席同じイス”にこだわらず、使い方に合わせて選ぶ視点も重要です。
4.忘れてはいけない「保証」と「耐久性」
法人導入では、保証内容も非常に重要です。
特に確認したいのは
・構造体保証
・可動部保証
・張地保証
などの違いです。
“購入価格”だけではなく、導入・保有し、運用して最終的に廃棄するまでにかかる“総保有コスト”で比較する視点が大切です。
(参考)オフィス家具協会(JOIFA)家具の保証期間についてのガイド
オフィス家具「JOIFA標準使用期間」に関する規程
5.まとめ “チェア選び”は働き方づくり
オフィスチェアは単なる備品ではなく、
・健康経営
・エンゲージメント向上
・採用ブランディング
・生産性向上
にもつながる重要な環境要素です。

「安いから」や「以前から使っているから」だけで選ぶのではなく、
“社員が快適で健康に働けるか”という視点で見直してみると、オフィスカイゼンの新しいヒントが見えてくるかもしれません。
ぜひ一度、自社のチェア環境をチェックしてはいかがでしょうか。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
一色先生
ライタープロフィール
コクヨに42年間オフィスデザイナーとして勤務。オフィスデザインだけでなくオフィス研究やオフィス運営維持活動も担当。オフィスやカイゼンに関する講演は全国で50回以上実施している。2019年にはデザインスタジオを開業。オフィスのコンセプトづくりやコンペ提案のアドバイスを対応。
水彩画家として個展やカルチャースクールの絵画講師、公募展への応募なども行っている。2020年には初出品した水彩画が日展入選。はやくスケッチ旅行を再開したい。
一色先生
ライタープロフィール
コクヨに42年間オフィスデザイナーとして勤務。オフィスデザインだけでなくオフィス研究やオフィス運営維持活動も担当。オフィスやカイゼンに関する講演は全国で50回以上実施している。2019年にはデザインスタジオを開業。オフィスのコンセプトづくりやコンペ提案のアドバイスを対応。 水彩画家として個展やカルチャースクールの絵画講師、公募展への応募なども行っている。2020年には初出品した水彩画が日展入選。はやくスケッチ旅行を再開したい。
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