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ライター:セッキ―

2023.04.28

オフィス環境の可能性をとことん追求!―“チームオフィスダイバース“の取り組み

集中できる場所、リラックスできる場所って、人それぞれ好みが違いますよね。

「音楽かけて仕事したほうがはかどるんですよ」
「だーれもいない場所ってかえって気が散ってしまいます」
「閉所恐怖症で、、、完全密閉型のフォンブースって実は苦手」


業務の内容やその時の心理状況によっても好みは変わるでしょう。発達障がいの方々のように、感覚が敏感な人の場合も、その場の環境が仕事のクオリティに大きく関わってきます。

では誰もが居心地よく過ごせるオフィス環境ってどんなものでしょう?どうやったら作れるのでしょう?そんな疑問を掘り下げるチームが発足しているんです。

どんなチーム?

それは昨年12月に発足したばかりの「チームオフィスダイバース」という名の団体。「みんなに優しい、ラクワク*なオフィス創りについて本気で考える」チームなのです。
*ラクワク(楽WORK)とは、「はたらく」をおもしろく楽しく、自分らしく快適にしていこう!という、Open Innovation Biotope “bee”の大切にしている価値観です。

日本を代表する老舗オフィス家具メーカーであり、空間づくりのプロフェッショナル、株式会社オカムラの関西支社より有志6名、一般社団法人チャレンジドLIFEの代表含め2名、グラフィッククリエイターの奥野美里氏の総勢9名からなるチームなんです。 (※トップの写真は、チームの一部メンバーと、中部支社イベント運営メンバーです。

今回お話を伺ったのはその中心となるこちらのお二人!

畠中 直美 氏
一般社団法人チャレンジドLIFE 代表

発達障がい児を育てる母親2名で立ち上げた団体、一般社団法人チャレンジドLIFEにて、発達障がい児を持つ親御さんへの情報発信や学びの場を提供。また、キャリアコンサルタント、ダイバーシティコンサルタントとして、企業・官公庁での研修講師、コンサルティングを行う。


岡本 栄理 氏
株式会社オカムラ オフィス環境事業本部
WORKMILL統括センター コミュニティマネージャー

2008年入社。経理、営業事務、秘書を経て2017年6月よりWORK MILLコミュニティマネージャーに。関西の共創空間・Open Innovation Biotope “bee”において社内外をつなぐ、さまざまな「はたらく」にまつわるイベントの企画・運営を担当。2023年4月よりWORK MILL統括センターに異動。東京の共創空間・Open Innovation Biotope “Sea”を拠点に、より全国規模の共創を創発するリーダーとして活動中。


今回は上記お二人に「チームオフィスダイバース」の発足経緯やその取り組みについてお話を伺いました。

     *     *     *     *     *

――一般社団法人チャレンジドLIFE(以下、チャレンジドLIFE)は発達障がいのお子さんとその親御さん向けの活動が中心かと思いますが、今回は“働く大人”に目を向けられたのですね。

畠中氏(以下、敬称略):はい、親御さんに対しての情報発信、学びの場として5年前にスタートしました。ですが、特に発達障がいの方々が抱える悩みは、社会との間に生まれる壁や軋轢そのものであり、当事者だけで学びを深めていても変わらないなということを、活動すればするほど痛感していったのです。

そこに気付いてからは、企業や、当事者・その家族・支援者という枠を超えた、いわゆる一般社会との接点の中で、どういう問題がありどうそこに向き合えばいいのか、という方向に舵を切りました。ここ数年は企業さんとのコラボ活動などを積極的に増やしながら活動しております。

――そこでオカムラさんとの出会いがあったのですね、チーム発足はどのような経緯で?

畠中:オカムラさんとは、私がキャリアコンサルタントとして傾聴コミュニケーション研修の講師を担当させていただいたのが最初の出会いです。毎月、関西支社の皆さんやオフィス家具製品に触れていますと、いろんな気づきが生まれるんですよね。デスクやチェア一つとっても、これは発達障がいを持つ方々の視点から見ると、いろいろ工夫して過ごしやすい空間づくりができそうだな、面白いなと思ったんです。

昨今、「大人の発達障がい」という言葉がよく聞かれるようになってきました。幼少期に診断がついてそのまま大人になる発達障がいの方もいれば、幼少期には特性について本人の自覚もなく、周囲からも気づかれなかったけれど、大人になってから発達障がいの診断を受ける方もいます。

「周りと同じように」という雰囲気がある職場において、大人の発達障がいの方の中には、特性からくる感覚過敏などによる辛さや、さまざまな困難について配慮を求めることを諦め、自分の障がいをオープンにせず、隠して働いている方が多くいらっしゃいます。

現代の子どもたちは、比較的幼い段階で診断を受けています。世の中の理解もだいぶ進んでいるので、おそらく大人になったときには今よりずっと環境が整備されていることと思います。小中学校では、学校内にクールダウンできるようなスペースや、雑音から解放されるようないわゆる合理的配慮がなされる場所が確保されてきているのですが、これが社会に出るとどうでしょう。職場ではそのような場所がいきなりなくなってしまい、はい、自分で頑張ってね、と放り出されるわけです。

そんな中でオカムラさんの製品をみていると、とても自由に環境づくりができそうだなと感じたんですね。発達障がいの人たちはその過ごす場所の環境から非常に影響を受けやすいので、例えば過集中によりパワーダウンしたとき休憩しやすいスペースや、注意散漫なタイプの人は集中しやすいスペースなど、過ごしやすい環境を作り出せれば、ミスが減ったり定着率が増したりするのではないか。学校と同じように職場でも「みんなで働きやすく」という視点で場づくりをできるようになったらいいのに、と。

それで、オカムラの皆さんに協力してもらってこの取り組みを実現化できないかと相談したんです。

岡本氏(以下、敬称略):畠中さんからお話を持ちかけていただいたので、研修後に毎回実施するアンケートにプラスして、このプロジェクトに参画してみたい人を募集してみたところ、数人から手が挙がりました。

畠中:その頃と今では皆さんの感覚も違っていましたよね。

岡本:そうですね、私も発達障がいという言葉を聞いたことはあっても、当事者の方にお会いしたこともなく、畠中さんの話を聴いても、ピンときていなかったというのが正直なところです。

そんな中、2022年12月にチャレンジドLIFE主催で「*ニューロダイバーシティ」をテーマとしたイベントをbeeで開催することになり、イベントのプログラムの一つにオカムラのプレゼンテーションを組み込もう!という話になりました。そこで発足したのがオフィスダイバース。チャレンジドLIFEのお二人と発達障がい当事者でもあるグラフィックファシリテーターの奥野美里さんとオカムラ有志メンバーで、みんなが心地よくラクワクできるオフィスってなんだろう、を考えました。

*ニューロダイバーシティ(Neurodiversity)とは、ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠陥多動性障害)、LD(学習障害)など、発達障害を神経や脳の違いによる「個性」だとする概念のこと。日本語では、「脳の多様性」あるいは「神経多様性」などと訳される。IDEAS FOR GOODより引用)

実際に当事者の方にbeeに来ていただきオフィスを見ていただくと、思いがけない反応が…!普段なんとなく「これは集中に使うもの」「これはリラックスに向いているもの」とそもそもの製品企画に沿った機能として使ったりお客さまに提案しているオフィス家具が、まったく違う機能として「使ってみたい!」「これがあったら困らない!」という声をいただいて、ハッとしたんです。

人によって集中やリラックスに適していると感じるものは違って、だからこそバラエティー豊かな家具があるオフィスは、いろんな人々にとってたくさんの選択肢をつくることができる。オフィス環境から貢献できることはまだまだたくさんあるんじゃないかと。そんな気づきが起きてから、一気にメンバーにとって発達障がいが自分事になって、プロジェクトが加速しました。そしてこの後ご紹介するカードゲームの前段に繋がるような提案づくりに発展し、イベント当日のプレゼンテーションにも、参加者からたくさんの共感の声をいただくことができました。

▼2022年12月に開催されたイベント【職場で「ニューロダイバーシティ」を実現するには?】より

お互いを知るためのカードゲームを制作

【ラクワクオフィスカード】
このカードゲームは、職場で感じる困りごととそれを解決してくれるアイテムを選ぶ、というアクションを通じてお互いを知り、よりよいオフィス環境づくりについて考えていくことができるゲームとなっている

――先日のイベントではカードゲームを使ってのワークショップとなっていましたが、制作の背景を教えてください。

畠中
:12月のイベントの際に「カードゲーム作ります!」と宣言してそこから急ピッチで(笑)

2年前に実施した発達障がいに関する意識調査から、発達障がい当事者と定型発達の方々との間に大きな理解レベルの差があることがわかりました。調査対象の7割を占めるのは、当事者でもその家族でもない一般の方々で、その約8割の方が「発達障がいについて大体わかっている」と回答するのに対し、当事者とその家族の約9割は「十分に理解されているとは感じない」と回答しています。このギャップが発達障がいを取りまく日本の現状です。

――またそう感じる理由が「ネガティブな視線」とは、残念ですね…。職場に言いづらい、というのもわかりますね。

畠中:もう一つは、「困りごと」の多くは障がいの有無にかかわらず共通しているということ。つまり、誰しも困っている事柄は大体同じで、その”困り方のレベル“が違うだけ、ということがデータによって判明しました。笑って済むレベルか、日常生活に支障をきたすレベルか、という違いです。

――たしかにそうですよね、私も「集中できないなあ」とか、「なかなか考えがまとまらないな」というときはしょっちゅうありますから。

畠中:そうですよね。ということは、発達障がいの方が抱える困りごとを解決することは、みんなの困りごとをも解決することにつながるではないか!と。このカードゲームによって、みんなが困りごとを発表し合い、お互いを知る。そしてお題として出たシチュエーションに対して各自好きなアイテムを選ぶのですが、人それぞれ違いが見えます。また同じアイテムでも、選んだ理由が様々なのです。

▼「集中したいときは?」「リラックスしたいときは?」などテーマに沿って、各自希望のアイテムを選択し、その背景を発表していく

――なぜそれを選んだか、という背景を知ることでその人の“人となり”がわかっていく、という素晴らしいゲームですね!オフィス環境について掘り下げるとしながらも、チームビルディングにも役立ちそうですね!

畠中:ありがとうございます^^

岡本:イベントでは、ゲームの前に、実際にオフィスを案内し当社の製品に触れていただいたのですが、これが非常に盛り上がりました^^

この【ライブス パーソナルチェア&テーブル】は、「こんな製品があったのか!」と皆さんが注目されていたのが印象深かったです。

こちらの製品は【ラップトップクッション】。比較的軽い作業などをリラックスして行う際に使うイメージで展開しているのですが、「全然、リラックスというより、これでずっと集中して仕事したい」と言われたんですね。

そういった感覚の違いがすごく新鮮で面白くて。自分たちがずっと「これはこういうシーンで、こう使うものです」と説明してきたものが音を立てて崩れるというか(笑)。こちらが一方的に決めつけるものではないな、ということに気づきました。さらに言えば、もっともっと自分たちの提案以上の可能性が広がるかも、と。そう感じ取ってから、このプロジェクトに対する積極性が増していった気がしますね。

畠中:始めから皆さん前のめりだったわけじゃないんですよ。少しずつ有志が集まっていって、自社製品に対する生の声を聞いて以降すごく積極的になって。関わり方が明らかに変わっていく。

知ることって重要ですよね。知ることで価値が広がっていく、と実感しました。なかなかこういう考えを社内で広げられない、という声を仕事柄よく聞きますが、始めは少人数でも、面白かったという人が増えていくと組織が少しずつ変わっていくなと思います。

根底の理解を広める一歩は、オフィス環境から

――一方で、オフィス環境さえ整えば、発達障がいを隠して働いている皆さんの抱えている困りごとがすべて解決、というわけではないですよね。Activity Based Working (ABW)*を導入し先進的なオフィスを構えている企業でも、全員オープンにして快適にしているかというと違うと思います。先ほどの調査の結果でも見えたようにもっと、みんなが根底の理解を深めていかねばならない、と思うのですが。

*ABW:時間や場所にとらわれず、働く場所を主体的に選択できるワークスタイル

岡本:おっしゃる通りです。図らずも、ABWという働き方が、発達障がいの方々にも快適を届けられる働き方であり、環境で解決できることがある、と気づかされた感じです。当社としてもニューロダイバーシティの取り組みという形でABWを発信していきたいです。これからもっと積極的に社内にも働きかけていかなくてはなりません。

畠中:もちろん最終的には周囲の皆さんがこのテーマを理解して、同意したり歩調を合わせたり、とコミュニケーションのとり方を知っていってくれればとは思います。困っていることを言い合えたり、カミングアウトできたり。

ただ、コミュニケーションの問題について理解しあうのは相当難易度が高いのです。カードゲームを入り口にすれば、「ほらね、みんな違うでしょ」ということが、自分事としてわかってもらえる。オフィス環境からアプローチしたほうが浸透が早い、理解されやすいのではないかと今は思います。

――なるほど。いきなり、勉強しましょう、理解を深めよう、というよりハードルが下がるかもしれませんね。

――最後に、読者の皆さんにメッセージ等ありましたらお願いします!

岡本
:当社のオフィスをご案内した際、こういう選択肢があるのか、と気づきを得た参加者の方がたくさんいてすごく有意義に感じました。オフィスにご興味を持たれた方、こういう家具を見てみたい、というだけでも結構ですのでぜひ気軽にお問合せをいただきたいです。

畠中:環境の可能性は本当にすごいと思います。「しんどい」とか「本当はこうだったらいいのに」などを言いやすい空気を作るのは環境が寄与する部分が大きいと思うのです。できればこの活動を通して、みんなにとって心地よいオフィスかどうか、「うちはどうかな?」と見直す企業が増えてほしいです。

――本日はありがとうございました。

Information*一般社団法人チャレンジドLIFE  https://www.challenged-life.com/
*株式会社オカムラ https://www.okamura.co.jp/
*Open Innovation Biotope “bee” オカムラが運営する共創空間のひとつ https://bee.workmill.jp/
セッキ―

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ライタープロフィール

整理収納アドバイザー(準一級)、防災士。2014年入社、当社で初めてライターに挑戦。キャリアのスタートは銀行員、その後リクルートグループ、大手税理士法人、スポーツアパレルなど複数の事業会社で管理部門、企画部門、秘書などを経験しながらカルチャーショックのシャワーを浴びまくる。2度の高齢出産を経て復職し、現在家事・育児・リモートワークに奮闘する毎日。無類のコーヒー好きで趣味はハンドメイド。いつかはインタビューされる側になりたい!

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