ライター:セッキ―
2019.11.28
地味、面倒な社内調整、できて当たり前と思われてる、周囲から理解されづらい、、、
「総務」ってそんなイメージではありませんか。
そんな総務のイメージを払拭すべく、文字通り部署名を「Waku Workチーム」に変更しちゃったんですって!なんだか聞いてるだけでこちらまでわくわくしてきませんか?
他業界、他職種から転身し、株式会社ユーザベースのコーポレート部門で働くワーキングママの重松花さん。かつてこんなに前向きで楽しそうにお仕事する総務さんに出会ったことがあっただろうか。
次々と湧いてくるアイディアを形にし、他社と共同で総務勉強会を運営するなど、やる気に満ち溢れてお仕事なさっている重松さん。毎日家事に仕事に育児に、と頑張るワーキングママが、あるときお子さんから言われた何気ない一言・・・
あふれるワクワクの原動力となったもの、そして総務の新たな可能性を、たっぷり伺ってきました!
―重松さんは、アパレルご出身で、総務のご経験はほとんどないと伺っていますが、まずはご経歴から教えてください。
服飾系の学校を卒業後、大手のアパレルメーカーで営業事務と生産管理を約4年。その後広告制作会社でセールスプロモーションを2年ほど経験しました。その後またアパレルに戻り、プレスや広報、レディースブランドの立ち上げなどとにかく洋服が好きでキャリアの多くはアパレル業でした。
その後結婚、出産などでブランクが空きましたが、2015年、そろそろ社会復帰というときに友人に紹介され、ユーザベースにアルバイトで入社しました。4ヶ月後にグループ会社のNewsPicksの社員に。まだその頃は会社が小さくて、総務・庶務の業務から編集部のお手伝いなど幅広く従事していました。
その後、全体を見られる仕事がしたくなり、2017年にユーザベースのコーポレート部門へ異動し、現在に至ります。当時はコーポレート部門は20人ほどの組織で、総務担当は私を含めて3名。現在では六本木オフィスには250〜300名くらいの社員がいて、総務チームは6名です。
―現在、お名刺には“総務”ではなく、「Waku Workチーム」とありますが。
2018年に名称変更したんです。異動当初は私ともう一人で主に業務をこなしていました。細かいルーティンの仕事が山積みで、常に追われている感じでちょっと辛い時期が続いていたんです。それで上司に相談したらこんなことを言われたんです。
「もっと自分たちのやりたいことからやってみたら?自分たちが得意なことを活かしてみたら?」
そこで自分たちはどうしたいのか、何をやりたいのか、意見を出し合った結果、
「自分たちも楽しく仕事したいし、社員のみんなにもわくわく働いてもらいたい。」
↓
「じゃあそのままそれを部署の名前にしたらいいんじゃない?」
という流れになったんです。ひらがなか、カタカナか、ローマ字か、といろいろ書いてみて、現在の「Waku Work(わくわく)チーム」になりました。
―理解ある上司ですねぇ。組織の正式名称としては結構大胆なチェンジですよね。
正直、最初は恥ずかしい気持ちもありましたが、もう思い切って振り切っちゃえ!と(笑) 結果的に、名称を変えたことで私たちの気持ちも振り切れましたし、わくわく仕事できるようにする、という明確な目標が見えたことはすごく大きかったと思います。
それまで「総務」と呼ばれていたのが、「わくわくさん」と言われるようになって、「あれってわくわくさんがやってるよね」とか「それならわくわくさんに相談してみたら」と少しずつ定着してきました。今では「社内のことならわくわくさんに聞け」、という状態を作れてきていると思います。「総務」という言葉よりも「わくわく」のほうが言うほうも言われるほうも、楽しいですよね。
―ですね!やっていることが同じだとしても、名称が違うとこんなに変わるんですね。
―どのようにわくわく仕事されているのか、実際の業務内容を教えてください。
私たちがミッションとしている「社内コミュニケーション活性化」のための主な活動をご紹介します。
・【UB-Day】(月1回の社内コミュニケーションイベント)の開催
・【One Uzabase Party】の運営(年1回の全拠点メンバー&パートナーが集合するパーティ)の開催
・【Waku Work Cafe】の運営(3階のイベントスペースの中で運営)
カフェはハンドドリップでコーヒーを淹れていて、社員にもご来客にも好評なんですよ。普段話せない社員とのコミュニケーションがとれるのでととてもいい機会になっています。
総務の仕事としては、ちょっと独特かも知れませんね。他社さんでは総務がやることをやっていなかったり、逆に他社さんの総務がやっていないことを私たちはやっていたり。
※同社インスタグラムより
―確かに「総務部門がやること」としては珍しい感じがしますね。この時点で「ザ・総務」の枠を超えているんですね。
また、総務にとっても社員にとっても無駄な時間をなくす、という施策として挙げられるのは、「代表電話の廃止」や「受付システムの導入」などですね。電話はほとんどが営業電話でしたので、基本的にチーム代表にして、必要な社員にだけ携帯を貸与。意外にもみんな不要だったと気づかされました。
―常に楽しく仕事するためのコツなどはありますか?
一つは、プロジェクトなどの名称を工夫することです。例えば「プロジェクトウユニ」や「プロジェクトカリブ」。これはWaku Workチームに変更する前のものですが。
「ウユニ湖のようにオフィスをきれいにしましょう」、とか「カリブのようなWi-Fiが通じない場所に行っても、たとえ地球の裏側に行っても業務が回るように(マニュアル整備や業務改善をする)」といったプロジェクトです。総務って地味な仕事が多いから、名前だけでも面白くしてとにかく楽しくやりたい!という意志の表れです。
―なるほど!単にお掃除、お掃除って言われてもお互いつまらないですもんね。名前が印象的だと社員の意識も集まりやすいですね。
今は頭になんでも“わくわく”をつけるようになりました。
・「わくわくポリス」…オフィス見回り
・「わくわくPR」…活動を知ってもらうためのインスタグラムなどの発信
・「わくわくヘルシー」…ヨガの開催や、健康的な食べ物の導入など
などなど、ネーミング自体も楽しんでいますね。総務の経験がないメンバーがほとんどということもあって、いろんなアイディアが次々出てきます。
―ほんと、楽しそうです^^ 逆に総務経験がなくて困ったことは?
株主総会とか、規程関連のことで、知識がなくて困ったことがありますが、相談すれば必ず快く教えてくれる人がいるので解決できます。
―総務業務では横のつながりはなかなかできないと聞きますが、情報収集や勉強などはどこで?
おっしゃるようにそういった場が少なくて、昨年あたりから自分で企画したいと思っていました。他社がどのようにやっているか、すごく知りたかったんです。今年になって「総務ミートアップ」を開催する話が持ち上がり、一緒に企画して登壇もさせてもらいました。
これが思いのほか、参加者多数で、あっという間に100名以上の席が埋まったんです。登壇した際に「総務サロンみたいなものをやりたい」と言ったところ、“行ってみたい”と沢山の方に声を掛けてもらいました。
そこから、現在は月1回、有志での「総務勉強会」を開催するに至りました。次回はもう5回目を予定。毎回いろんな会社さんに声を掛け、テーマを決めて、情報交換と課題解決の手法について話し合い、何かしら持ち帰ってもらえる内容にしています。なるべくお金をかけず会場も持ち回りでやっていて、毎回会場となった企業のオフィスツアーをしていただいているんですよ。
―素晴らしいです。他社のみなさんも待ち望んでいたのですね。総務業界では大きな第一歩を踏み出された感じがします。“攻めの総務”というか。
確かに、“地位向上”を目指したところも実はあります。
あるとき、中学生の娘に言われたことがあって。
「ママは何も(特化したものが)ないから総務やってるんでしょ?」
その一言が結構ショックで。娘は悪気はなかったと思うんですけどね、そんな風に見えてるのか、総務ってそういう立ち位置なんだな、と。そうじゃないんだということを証明というか、みんなで盛り上げて底上げできればなって。
―それはショックですね…涙 そこが大きな原動力になっていたのですね。今のママを見て娘さんは違った印象を持つのではないでしょうか。
どうでしょうね?聞いてみたいです。ママはみんなの前で話したんだよ、と友人とかに言われると、「へぇ~」とか言ってますけど(笑) 子供OKの社員イベントなどにはすごく喜んで行きたがりますね。
―大変な割に評価されにくいのが総務の悲しいところですよね…
これまでに一番印象に残った業務を一つあげるとすれば?
2018年7月の移転でしょうか。私の役割は“引っ越し隊長”で、とにかく荷物を片付け、無事に引っ越しを終えることがミッション。大量のごみが入ったロッカーやら、持ち主不明の荷物やら、オフィス内がとにかく散らかっていて、担当を決めてあの手この手でみんなのお尻を叩いて、、、「明日までに片付けないと廃棄シール貼っちゃうよ!」と、最終的には鬼軍曹と呼ばれてましたね(笑)
引っ越し完了のときは感慨深くて…。最後まで残って送り出す、という役割でもあったので、空になったオフィスを見たら泣きそうになって、とにかく写真を撮りまくりました(笑)
―経験あるのですごくよくわかります(笑)
―これからの夢、目標について聞かせてください。
今運営している総務勉強会などを通じて、もっといろんな会社の話を聞き、そしてその情報を社内に還元していきたいです。そうすることで、総務全体の底上げをしていき、自分の仕事に誇りを持てるようになりたいですね。
―今、総務業務で悩んでいる人に言ってあげるとしたらどんな言葉を?
総務は、「何でもできる」と思ってるんです。実はここからここまで、と決まっていない幅の広い業務なのではないでしょうか。雑用っぽいイメージがあると思うけど、イメージにとらわれずにいろんな可能性を模索していくと楽しいと思います。全社のことがわかって、全社に関わることができて、社員にいろいろと還元できる仕事って、なかなかないですよね。そう考えたらきっともっと楽しめるんじゃないかなと思いますね。
* * * * *
総務経験のない方だからこそ、枠組みを超えて大きな改革ができる。
参考になったお話が沢山ありました。特に、自分たちが楽しくなる、だけでなく「社員への還元をしたい」という言葉が何度も挙がっていたのが印象的でした。
筆者もかつて総務を含めたコーポレート業務に従事していました。できて当たり前、できなかったときだけ責められる。そんな被害妄想的な気持ちを長いこと抱えていた気がします。あの頃、重松さんに出会っていたら毎日が違っていたかも。そんな感想を持ちました。
自分たちが楽しく働いていれば社員もきっと楽しい、そう信じて語る姿がとても素敵な重松さん。
撮影をしていると、社員さんたちが笑顔でたくさん寄ってきて、その人気ぶりがよくわかるインタビューでした^^
ありがとうございました!
(text:関)
プロフィール | 重松 花(しげまつ はな) 株式会社ユーザベース Waku Workチーム
アパレルメーカーで営業事務、広告制作会社のセールスプロモーション部で制作アシスタント・制作進行管理を担当。 その後アパレル業界に戻り、レディスブランドの立ち上げ企画、生産、営業、プレス、スタイリスト事務所マネジャーと幅広く経験。 2015年にNewsPicksに入社し、2017年4月よりユーザベースのコーポレート部門へ異動。 現在、waku workチームとして総務庶務業務や社内コミュニケーションイベント企画運営をしながら、社員も自分もわくわく働ける環境づくりにチャレンジ中! 総務勉強会:だけじゃない!総務っ!by WAO CreaterS(WA-Cre) Waku Workチーム公式インスタグラム:https://www.instagram.com/ub_wwt/ |
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ライタープロフィール
整理収納アドバイザー(準一級)、防災士。2014年入社、当社で初めてライターに挑戦。キャリアのスタートは銀行員、その後リクルートグループ、大手税理士法人、スポーツアパレルなど複数の事業会社で管理部門、企画部門、秘書などを経験しながらカルチャーショックのシャワーを浴びまくる。2度の高齢出産を経て復職し、現在家事・育児・リモートワークに奮闘する毎日。無類のコーヒー好きで趣味はハンドメイド。いつかはインタビューされる側になりたい!
ライタープロフィール
整理収納アドバイザー(準一級)、防災士。2014年入社、当社で初めてライターに挑戦。キャリアのスタートは銀行員、その後リクルートグループ、大手税理士法人、スポーツアパレルなど複数の事業会社で管理部門、企画部門、秘書などを経験しながらカルチャーショックのシャワーを浴びまくる。2度の高齢出産を経て復職し、現在家事・育児・リモートワークに奮闘する毎日。無類のコーヒー好きで趣味はハンドメイド。いつかはインタビューされる側になりたい!
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