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オフィスに関わるあんな人こんな人、ご紹介します!

2017.11.09

松浦真弓:ウフル/IOTイノベーションセンターマネジャー
「オフィスIoT、可能性は無限大!」

「オフィスIoT」という言葉を知っていますか?いやいや、IoTってなに?という方もまだまだ多いのではないでしょうか。

IoT領域をはじめクラウドサービスの導入支援・運用、ソーシャルメディア分析・戦略立案からWebサイト構築まで、ワンストップ・ソリューションを提供する、株式会社ウフルさん。2016年に本格的にIoTを軸に事業を展開し始めました。

そして今回は、同年立ち上げた「IoTイノベーションセンター」にマネジャーとして就任した松浦さんに、主にオフィスIoTについてお話を伺ってきましたよ。

―まずご経歴についてお聞かせください。

大学卒業後、半導体の商社であるマクニカにて、ソフトウェアや半導体のサポートエンジニアを5年経験しました。次にラティス・テクノロジーという3DCAD関連の会社に転職。10年以上にわたり、製造業を中心とした3D CAD関連ソフトウェアのマーケティング、 製品企画、パートナー営業などを担当し、建築・建設業界の 3Dデータ活用を提案・導入支援するエバンジェリストとしても活動しました。

その後2016年5月より現職です。IoTイノベーションセンターという組織が新設された後、弊社が発起人としてIoTパートナーコミュニティを立ち上げまして、そのコミュニティマネジャーに就任しました。

―IoTという分野に興味を持たれたきっかけは何だったのでしょうか。

製造業や建設業のお客さまとのやり取りの中でも話題にのぼっていたIoTで、あらゆるモノやコトをつなげることで、世界がどう変わるのかに興味を持っていました。

そんな中、今の上司から、「IoTパートナーコミュニティ」の設立の構想を聞きました。IoTそのものへの興味はもちろん、前職で、コミュニティの運営やファシリテートをしていたので、チャレンジしてみたいと強く思ったのがきっかけです。

ウフルという会社名は、スワヒリ語で自由を意味します。もともと“テクノロジーと自由な発想で未来を作る”、という理念でビジネスを展開しており、顧客情報や営業の進捗を管理することで生産性向上を目指すSalesforceなどのインテグレーションを行ってきた会社です。2016年4月からはIoTを軸に据えて事業展開をしています。

―大きく舵を切られたのですね。

はい。同時にIoTイノベーションセンターが設立され、いくつかの企業にお声がけをしてビジネスを目的として立ち上げたのが「IoTパートナーコミュニティ」です。

IoTは1社ではなかなか実現できないことから、「どこの会社と組めばいいかわからない」という相談が非常に多いのです。そこで、17社ほどの企業にお声がけし、コミュニティを立ち上げ、共同でのビジネス展開が行えるようにスタートしました。

現在、約50社が参加して活動している組織で、そのうちの7割前後はIoT関連のソリューションベンダーで構成されています。

―よく聞く名前の企業もありますね。

オイシックスさんはよくご存じの方も多いのではないでしょうか。お野菜や食材の宅配サービスというイメージがありますが、実店舗もいくつか運営されています。そこでの人流解析や最適な棚配置、配送の最適化といった場面でのIoT活用について、コミュニティメンバーと共同で実証実験を行っています。

―IoTという言葉にまだあまり馴染みがなかったのですが、そういうことなのですね。ではオフィスIoTとはどのようなことを指すのでしょうか。

IoT=Internet of Things=「モノのインターネット」
ですが、「モノゴトのインターネット」と私たちは解釈しています。


実際の活動内容としては、ヘルスケアや物流、AI(人工知能)、セキュリティなど10のワーキンググループがあり、その中の一つが「オフィスIoTワーキンググループ」です。実際にオフィスで起きている課題をIoTで解決するべく、弊社内で実証実験をして実際のご提案につなげています。またオフィス自体のショールーム化も目指して活動しています。

新しいもので例を挙げますと、「総務Pepper」という構想があります。

―Pepperって、ロボットですよね。最近企業のエントランスでよく見かけます。面白そうですね!

総務で役に立つPepperってなんだろう、というディスカッションから、まずは受付の案内係を任せてみることにしました。受付に置いたマットの上にお客様が乗ると「いらっしゃいませ、ご用件は、、、」と発声するような仕組みです。マットがなく、ただ置くだけだと数分おきに自動発声しますよね。誰も来客がないのにずっと一人でしゃべっているわけです。そうすると、近くで会議している人たちには、うるさくてちょっと迷惑、ということになります。必要なときに必要な案内をすることが大切なのです。

Pepperの会話や動作をコントロールするソフトウェアや、マット型センサーは、先ほどのパートナーコミュニティの企業の製品を活用し、実際に弊社オフィスに置いて実験をしています。

―なるほど。わかりやすい事例ですね。

2016年4月、現在のオフィスに移転した際に実際に挙がった3つの課題についてIoTを使って解決した例をご紹介します。

1. 共有備品が行方不明に!全社メールを配信し探し物をする、または紛失したケースも。
【IoTで解決】備品および社員全員にビーコン(タグ)をつけ、行方と使用者がわかるようになった。

2. 会議室利用は来訪者優先というルールのため、社内の打合せは基本オープンスペース。どうしても会議室を使用したいときは、空いている会議室を探す作業が大変!
【IoTで解決】使用してないときは電気を消すルールだったことから、「照度センサー」を取りつけオンライン上でリアルタイムに空室かどうかがわかるようにした。

3. 出退勤の管理は社員証をカードリーダーにかざす方法。出退勤時にかざし忘れたりして、正確な情報が記録できていない!
【IoTで解決】1の解決方法の導入により、ビーコンをつけてゲートをくぐれば自動的に出退勤の時間が記録される仕組みにした。

ざっとこのような感じですが、1.について詳しく説明しますね。
-------------------------------------------------------------------------------- 【従前】備品管理用のPCが置いてあり、貸出内容を書き込んで借りる。問題点として記録が面倒、記録せずに持ち出す人が発生。
   ↓
【改善1】監視カメラ設置→録画された内容を見るという手間が発生。また100人ほど一気に増員したため顔を見ても誰だかわからない…
   ↓
【改善2】備品および社員全員にビーコンをつける。受送信器(アクセスポイント)を会議室や執務エリア、オープンスペースなどオフィス全体に設置。備品の利用状況と使用者がわかる、最後の使用者がわかるようになった。
--------------------------------------------------------------------------------

弊社は備品管理から入りましたが、人を探すのにも便利ですよ。フリーアドレスで100人も一気に増えますと、顔と名前が一致しなくて、電話の取次ぎすらままならないこともあるのです。

―最近はフリーアドレスの会社が増えてきているので特におすすめできそうですね。

はい。複数フロアでフリーアドレスを導入されている企業には特に!また、データを蓄積しているので、備品の利用状況をチェックすれば必要個数の最適化にも役立ちますね。

―なるほど!確かに。

実際、一度でスムーズにいくものではなく、失敗を重ねて今に至っているんですよ。

まずビーコンをつけること自体への抵抗です。当初10名くらいでスタートしたので問題なく進みました。そこで本社の社員150名ほどに配ったところ、トイレに行っても休日でも居場所がわかるのか?とプライバシーを気にする声が。また、大切なものだと思って失くさないようにロッカーにしまってしまう人もいました(笑)。目的が全然伝わってなかったんですね。あくまでもオフィス内のアクセスポイントがある場所でだけ、位置を捕捉するものだと説明し、また、電話の取次ぎ時など社員を探すのにも便利なことなどデモを交えて繰り返し説明してようやく納得してもらい、今では全員が装着し、みんながメリットを享受できる仕組みになっています。

さらには、ここで使うビーコンは、業務で利用していた無線LANと同じ2.4GHz帯を使っていたため、150個分のビーコンのデータが同時に流れたことでLANのスピードが遅くなって業務に影響がでた、なんてことも起きました。LANを5GHz帯に逃がすことで解決しましたが、お客様先で同じことが起きたら、大変なことになっていましたね。

こうした失敗も実証実験をしたからこそ経験できたことです。

―いろいろご経験されたからこそ、自信を持って提案できるのですね。今後の新しい実験があったら知りたいです!

今オフィスでは様々な課題があります。大きく以下の二つに分けられます。
① 生産性、効率化(働き方改革や健康経営、長時間労働の是正など)
② 心理面(モチベーション、リフレッシュ、社内コミュニケーション)

②は、なかなか定量的に測るのは難しく、その結果をどう活かすかは研究段階なので、ここに取り組むことが私たちの挑戦でもあります。

「相席屋」という居酒屋では、はじめて会う男女のグループが同じテーブルにつき食事をしますが、盛り上がっていないテーブルには“盛り上げ係”が行って盛り上げる、というシステムがあります。ここで、テーブルの“盛り上がり具合”をセンシングする技術を利用した実証実験を行い、実際にテーブルの盛り上がり具合を可視化することができました。これをオフィスIoTとして取り入れると、生産性に関わる会議の盛り上がり状況、そして、会議に参加しているメンバーの相性なども情報としてとれるのです。

例えばAさんはBさんとは会話が活発だが、Cさんとはポジティブな会話ができていない、と分かれば、Cさんには別のチームで活躍してもらう、といった組織編成に活用できます。またいつも元気なDさんがあまり会話に参加していない、といった場合には、メンタルのサポートを入れるなど、人事的な観点でも利用できますね。

―なるほど。これからもチャレンジのし甲斐がありそうですね! 松浦さんはどんなときにやりがいを感じていますか?

こうしたらもっと良くなるのでは、とコミュニティの皆さんと熱いディスカッションをしているときです! 提案が形になって、勝利の祝杯をあげるのも楽しみの一つですね(笑)。

―まだまだいろんな可能性がありそうですね。これからの展開にも期待したいです!

オフィスIoTはまだスタートしたばかりなので、実証実験してきたこのノウハウをいかに多くの皆様に知っていただき、役立てていただくか、というのが現状の課題です。講演依頼も増えてきていますし、これからが勝負です。オフィスIoTのソリューション、ご興味ある方は、ぜひ弊社に見に来てください!

―今日はありがとうございました!

プロフィール松浦 真弓(まつうら・まゆみ)
株式会社ウフル IoTイノベーションセンター/マネージャー


株式会社マクニカにて、集積回路のアプリケーションエンジニアとして大手製造業の技術サポートを担当。その後、ラティス・テクノロジー株式会社にて、10年以上にわたり、 製造業を中心とした3D CAD関連ソフトウェアのマーケティング、 製品企画、パートナー営業に従事し、同社の成長に貢献。近年は、建築・建設業界の 3Dデータ活用を提案・導入支援するエバンジェリストとして活動した。業務と関連した活動として、iOS端末のエンタープライズ利用を促進する活動を展開する一般社団法人iOS コンソーシアムで、製造業でのタブレット活用を推進する製造ワーキンググループを発起人として設立し、約3年間、リーダーを務めた。2016年5月より現職。

◆書籍紹介◆
IoTイノベーションセンターのメンバーが執筆したIoTのすべてがわかる教科書、『IoTの基本・仕組み・重要事項が全部わかる教科書』
2017年10月19日より一般書店にて販売されています。
http://www.sbcr.jp/products/4797392432.html
amazonはこちら
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