「健康を研修で学ぶ!?」インターネット・アカデミーの“iWell制度”がオフィスを変える

「健康経営」が重要とわかっていても、実際に導入しようとすると様々な悩みが沸き起こるのではないでしょうか。

たとえば——

健康施策を用意しても、結局“意識の高い人”しか参加しない
補助金や福利厚生だけだと、なかなか社員の行動は変わらない
忙しいオフィスの中で、健康に向き合う時間をどう確保するか

今回ご紹介するのは、 インターネット・アカデミー株式会社が導入した「iWell（アイウェル）」制度。上記のお悩みにユニークなアプローチで挑んでいます。

社員全員が“健康”を学び、実践し、楽しむ。ちょっと変わった仕組みですが、そこには社長の強い想いと体験が詰まっていました。

「学ぶ」から始める健康経営──iWell研修の仕組み

研修といえばスキルアップ、そんなイメージがありますよね。
でもインターネット・アカデミーでは、あえて“健康”を学ぶ研修をつくっちゃいました。

それが「iWell研修」。月1回、業務時間に全員が集まって、栄養学やストレッチから、キックボクシングや柔術まで幅広くチャレンジします。

ポイントは社長も一緒に参加すること。外部講師は超一流で、過去にはPRIDE参戦経験のある柔術家・今成正和さんまで登場。リモート勤務の人もオンラインで参加できるので、会社全体で盛り上がることができますね。

「これをきっかけにジム通い始めました！」なんて声も。健康を“学ぶ”ってちょっと新鮮ですよね。

パーソナライズで成果を出す──iWell手当の活用法

学んで終わりじゃもったいない。そこで出てくるのが「iWell手当」。
パーソナルトレーニング費用の最大70％（上限2.5万円／月）を会社がサポートしてくれる仕組みです。

ポイントは、「健康はただ与えられるものじゃなく、自分で投資する価値がある」との社長の考えから、全額補助にはしない。
さらに、期限や目標を設定してトレーニングをすることがビジネスにも通じることから、目標設定＋レポート提出を補助の条件にしているんです。

結果として、社会人になるまでほとんど運動をしてこなかったという従業員もパーソナルトレーニングに挑戦するなど、行動変容をもたらすことに成功しています！

実際に「繁忙期に体調を崩さなくなった」「週1ジムで疲れにくくなった」という声がどんどん出ているのだそう。


原体験から制度へ──社長・西洸人さんの想い

この制度の背景には、社長である西洸人さん自身の体験があります。

新卒で入社した当時、継続的な運動習慣はありませんでした。でも身近な人の突然死をきっかけに健康の大切さを実感し、2017年頃からジム通いを開始。運動を続けることで「集中力アップ」「スケジュール管理がうまくなる」など、仕事にもいい影響があることを体感したそうです。

さらに、知人の精神科医から「うつで来院する社会人の多くがIT企業勤務」と聞き、厚労省の調査でもIT業界の休職率が突出して高いことを知って大きな危機感を覚えました。 「自分の社員にはそんな思いをさせたくない」。その強い願いが、iWell制度のスタートにつながっています。

あるとき、西さんのスケジュール調整に苦戦していた社員が、業務優先とばかりにジムの時間帯に会議を入れたことがあったそう。そのときの西さんは、

「おい、ダメだって！ これは息抜きじゃない、会社の未来を作る時間なんだ」

社長の本気度が伝わる一言、健康の意味づけがガラッと変わりますよね。

オフィスに広がる健康の輪──iWell制度の副作用的メリット

iWell制度の面白いところは、健康だけでなくカルチャーまで広がっていること。 格闘技研修をきっかけに格闘技ファンが増えて、会社で観戦会をしたり、スポンサー選手をみんなで応援したり。部署を超えた交流も自然に増え、オフィスの雰囲気が明るくなったそうです。

「健康は個人のもの」ではなく「組織の未来をつくるもの」という感覚。これが制度を通して社員に浸透していることが分かります。

まとめ──オフィスに“元気”を取り入れるシンプルな方法

インターネット・アカデミーのiWell制度は、「まず学ぶ」「次にやってみる」っていう流れを仕組みにして、自然に社員の行動を変えていきました。「健康経営」の実践が形骸化する恐れを感じている企業さまにとって、すごくいいヒントになったのではないでしょうか！

オフィスに健康を取り入れるのって、意外とシンプルなのかもしれません。 会議室でストレッチしたり、ときには格闘技を学んだり。そんな風景が普通になったら、オフィスってもっと明るくて元気な場所になるはず。

健康が守られれば、仕事のパフォーマンスも上がるし、チームの雰囲気もポジティブになる。 快適な椅子や最新ツールも大事だけど、いちばん必要なのは「元気に働ける自分の体」。

iWell制度のストーリーは、これからの働き方を考えるうえでとても参考になるお話でした。 ここまでお読みいただき、ありがとうございました。