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オフィスに関わるあんな人こんな人、ご紹介します!

2011.11.07

浜口隆則:株式会社ビジネスバンク/代表取締役社長
「起業家支援への一貫した想い」

リーマンショックや東日本大震災によるビジネス環境の変化を受け、機動性の高い経営を行っていくための手段の一つとしてここ数年の間に、「レンタルオフィス」が再び注目を集めている。

 賃貸オフィスを借りる場合と比較し、長期の賃貸契約が不要である上、敷金・礼金・手数料などの必要経費が抑えられること、そして電話やネット環境なども整った状態で利用できるというメリットから、個人事業者が起業する際の拠点や大企業のサテライトオフィスとして利用さている。
 今回取材に伺ったビジネスバンクの浜口氏は、このレンタルオフィスというサービスを日本に浸透させた立役者の一人である。浜口氏は、まだ日本でレンタルオフィス業があまり認知されていなかった頃に、起業家支援の目的で「オープンオフィス」というレンタルオフィス事業を立ち上げ、都内を中心に展開してきた。現在では、オフィスだけでなく、経理業務サポートや資金提供、セミナーを通じた経営ノウハウの提供など、幅広いサービスを立ち上げ起業家の支援業務を行っている。
 また、ベストセラーにもなった書籍「戦わない経営」を初めとする執筆活動を通して、浜口氏自身も経営者として注目を集めている。
 今回は、「オープンオフィス」を中心とする起業支援事業の拡大や数多くの起業家の輩出といった経験を踏まえ、浜口氏の経営者・ビジネスマンとしての考え方やマインドについて伺った。  

■ 株式会社ビジネスバンク http://www.bbank.jp/
■ 「オープンオフィス」 http://www.openoffice.co.jp/

最初の起業支援事業はレンタルオフィス業

 「現在は、一言で言うと“起業を支援する仕事”をやっています。
 「OpenOffice」というレンタルオフィス業を軸に、徐々に支援の領域を広げ、会計事務所や資金投資、起業スクールなど、あらゆる面から起業家の方々に対する支援をさせて頂いています。  約15年前のビジネスバンク設立当初から、「起業家を支援したい」という想いを胸に、上記の様な多面的なサービス提供を思い描いてきましたが、その中でも起業時に一番最初に取り組んだのは、レンタルオフィス業でした。

 当時はまだ事務所を持つといっても、長期賃貸契約の締結や家賃の何十倍もの初期費用支払が当たり前で、起業したくてもオフィスを借りる費用が膨大で資金繰りも大変だったため、何とかこのハードルを下げられないかと考えている中で始めたのが、「OpenOffice」です。
 この「OpenOffice」が軌道に乗って来たところで、さらに事業の幅を広げていき現在に至ります。」

経営者をもっと日本に増やしたい

 「私が起業家支援のサービスを提供する会社を起業しようと考えたのは、新入社員として入社した会計事務所での体験がきっかけでした。
 既に都内の別の企業に内定を頂いており、決して会計士や税理士の資格を持っていたわけでもないのに、会計事務所に入社したのは、“会社そのものについて勉強できるかもしれない”という興味からでした。

 その会計事務所では、1年目の時からある程度の仕事を任せていただき、会計業務だけに留まらず、中小企業の資金計画からマーケティングや人事の戦略の立案といったものまで、幅広い業務を請け負っていました。そんな中で、様々な経営者と接する機会を重ねる内に、人それぞれ特長は違うものの経営者という生き方のすばらしさを感じるようになり、世の中にこういった方々がもっと増えたら良いのにと思うようになったのです。」

今の経験があったら、レンタルオフィス業はやってなかった

 「しかし、初めての起業は甘くはなく、創業時は非常に苦労をしました。そもそもレンタルオフィス事業というのは、ある程度の資金が必要となる事業である上、起業したばかりの会社では社会的な信用も低いためオーナー側から断られることも少なくありませんでした。
 また、営業活動をしようにも、これから会社をつくる方がターゲットとなるため、自社の顧客を見つけること自体が非常に難しかったことも苦戦を強いられた大きな要因の一つです。

 更に付け加えると、今でこそレンタルオフィス事業は世の中で認知されていますが、あの頃はまだ存在しなかったサービスであったため、手本となるものも無く、暗中模索の日々でした。
 それでも何とかやってきて改めて思うのは、現在の知識や経験がその当時の私にあったとしたら、レンタルオフィス業を最初の事業として選ばなかったと思います。」
 もちろん、当時もレンタルオフィスを開業することが、世の中の大きな方向性としては、間違っていないという自信はありましたが、無知だからこそ出来たチャレンジだったと思います。」

東京進出のきっかけとなったターニングポイント

 「今でこそ、都内に多くのレンタルオフィスを開設し、事業を展開していますが、最初に開設をしたのは、実は長野県でした。東京でのスタートも考えましたが、東京は当時から家賃も高く、大学時代を海外で過ごした私にとっては、ビジネス勘や土地勘、人脈のない場所であったこともあり、大学卒業後、就職のために移り住んだ長野の地を選びました。
 そこで、活動を続ける中で転機となったのは、私の事業が地元メディアに取り上げられ全国紙に掲載されたことがきっかけでした。

 なんと、同じような事業を考えていらっしゃった神奈川の方がこの記事を目にして興味を持って頂き、はるばる長野まで見学に来てくださったのです。そして、お話をさせて頂く中で、意気投合し東京へ新たにレンタルオフィスを開設するチャンスを与えてくださいました。」

競合が出ることは予測できた

「それから7年後ぐらいに、同じような事業を始める企業、つまり競合が増え始めました。事業が上手くいけば、産業の仕組みとして、いづれ競合が増えていくことは予想しており、オフィスという実在するモノを扱う事業という意味では後から出てくる方に分があると思っていましたが、不安はありませんでした。
 というのも、私達はオフィスを貸して利益を上げることが目的ではなく、あくまで起業家を支援することが前提としてあることが最大の差別化になると考えていたからです。
 だからこそ、レンタルオフィス事業だけにとどまらず、会計事務所やベンチャーキャピタルの立ち上げまで行って幅広い事業展開をしてきたつもりです。」

起業の大学をつくりたい

 「そして、今後は更にオフィス以外の事業を拡大していきたいと考えています。これまで15年の事業の中で、何千人もの起業家の方を見てきて、起業に失敗する考え方ややり方のパターンも良く分かってきたと思っています。その一つとして、起業には準備が欠かせないということがあげられます。経営者を続けてきて思うのは、やはり、経営を実際にやってみないと分からないことは山ほどあるということです。

 そういった経験を積むためには、一度起業をしたら持続させていく必要があるのです。その土俵に立つための準備を起業前に整えておくことは何よりもまず重要なことだと感じています。なので、私は、そういったことを次代の起業家に伝えていくための授業をもっとやっていきたいと思っており、最終的には起業の大学をつくりたいと考えています。そして、一つの学科として成り立たせていきたいです。そういった活動を通して、経営者を育てると共に、日本の開業率をあげていくことで少しずつでも日本のビジネスに貢献していくことが今後の私の目標です。」

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 たった一時間のインタビューであったが、非常に落ち着いた柔らかい物腰の浜口氏に対して私が感じたのは「この人は失敗をしても、それを失敗とせず、むしろ糧にして成功をもぎ取るだろう」という内面から滲み出る力強さであった。
 「起業家を支援したい」という非常にシンプルな想いを持って、大学卒業後から現在に至るまで15年以上に渡り起業家支援を行ってきた浜口氏。この一貫したブレない生き方そのものが、レンタルオフィスという、日本になかったビジネスを一つの市場にまで成長させた要因の一つなのだろう。

 インタビューの最後に私から伺った“今後の展望は?”という質問に対しても、浜口氏が即座に言い放った答えは、やはり「起業家支援」であった。
 今回の浜口氏はもちろん、これまで「注目の“この人“」でインタビューに伺った方々からも同様に感じることであるが、大きな成長を実現するためには、激しく変化する外部環境にも左右されない一貫した考え方や姿勢、そして行動指針を持つことが非常に重要なのではないだろうか。
 そんなことを改めて考えさせられた一時間であった。

プロフィール浜口隆則(はまぐち たかのり)

会計事務所、経営コンサルティング会社を経て、大好きな起業家を支援する仕事をするために20代で起業する。
「日本の開業率を10%に引き上げます!」をミッションにしたビジネスバンク社はレンタルオフィス事業、会計事務所、ベンチャーキャピタル会社、起業家教育事業など、起業を総合的に支援するグループに成長している。

数千社という起業経営の現実を見てきた「起業の専門家」でもあり、その希有な経験から昇華されたアドバイスは多くの会社を成功に導いている。主催する経営者の勉強会(起業家支援プログラム)は開始1年半足らずで延べ2000名以上の経営者が参加しており、「戦わない経営」「幸福追求型の経営」「小さな会社のブランド戦略」「経営の12分野」など、独自の経営論でファンが多い。

著書に『戦わない経営』『仕事は味方』『誰かに話したくなる小さな会社』『My Credoマイクレド』(かんき出版)『「心の翼」の見つけ方』(フォレスト出版)がある。

横浜国立大学教育学部卒、ニューヨーク州立大学経営学部卒。
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