脱炭素時代に総務担当者が知っておきたい、CO2排出量見える化ツール～「zeroboard（ゼロボード）」～

昨年の10月26日の臨時国会で所信表明演説を行った菅義偉首相。その中で、「2050年までにカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現をめざす」ことが宣言されました。

カーボンニュートラルとは、企業や家庭が排出する温室効果ガスを省エネルギー化によって削減するとともに、削減しきれない分を、植林や森林保護といった「ほかの場所での吸収」によって正味でゼロにする取り組みのことです。カーボンとは炭素のことで、ここで言う温室効果ガスとはおもに二酸化炭素を指します（NTTファシリティーズのHPより引用）。

宣言を受けて、産業界でも脱炭素を目指す動きが加速。 オフィスでもCO2の排出量をいかに削減できるかという視点が、急速に重要視され始めています。

煩雑な計算が必要なCO2の見える化

ところで、CO2の排出量って、どうやって計算するかご存知ですか？
計算方法をざっくり言うと…

CO2排出量 ＝ 活動量 × 排出係数 × 温暖化係数

と、一見簡単そうにも見えますが、排出係数一つとっても、エネルギーの種類ごとの係数を調べる必要があり、正直かなり煩雑です。

人々の意識を変えるためには、まずは課題を見える化する、というのが鉄則ですが、CO2削減については、そう簡単ではありません。

こうした状況に風穴を開ける優れたプラットフォームが誕生しました。その名も株式会社A.L.I. Technologiesが開発した「zeroboard（ゼロボード）」。 同社より、3月3日（水）にリリースされました。

必要事項を入力するだけでCO2排出量を簡単に見える化

「zeroboard（ゼロボード）」を活用することで、難解な計算式を使うことなく、手軽にCO2排出量が算出されます。その数値を使うことで、会社全体の削減計画と検証が可能となります。 カーボンニュートラルの責任の一端を担う総務担当者としては、この機能は大変助かりますよね。

そしてさらに、自社の営業活動にもプラスの効果をもたらすこんな特徴が…。

・企業や自治体が作成する報告書を自動で作成
投資家や消費者に向けて公開が可能なフォーマットで、レポートが自動生成されます。

・小口でのCO2の排出権取引が可能に
これまで、一定のボリューム以上でしかやり取りができなかった排出権が、A.L.I.社の自社在庫を用いた代理消込みという仕組みを活用することで、タクシーを利用したり、ECサイトで買い物をした時に排出されるCO2を、消費者が買い取り、その排出したCO2を相殺（オフセット）する取引（＝新サービスの構築）が可能となります。

そして、気になるお値段も良心的。エントリーモデルの場合、導入価格は月々数千円から。中小企業も導入しやすい価格設定となっています。

消費者を巻き込んだ新たな行動変容を生み出すきっかけに

個々の企業がCO2削減に取り組むことは、脱炭素社会を目指す上で非常に重要ですが、それだけでは、2050年までにカーボンニュートラルを、という目標を達成するのは容易ではありません。

社会全体での大きなうねりを作り出すためには、消費者を巻き込むことが不可欠です。

その一つの取り組みが、「オフセット取引の消費者間での普及」です。

※オフセット取引とは、CO2の排出を削減する努力を行うと同時に、自らのCO2排出の権利を（金銭的な手段などで）購入するなど、他の場所で直接的、間接的にCO2の排出を吸収しようとする考え方のことを指す。

・先月の楽しかった旅行で飛行機を使った分のCO2をオフセットしよう
・今日はエレベーターに何度も乗ったので、その分をオフセットしてみよう
・ECサイトで欲しいものを買ったから、来月のお小遣いでその分オフセットしてみようかな

そんな空気を社会に生み出すことができれば、脱炭素に向けた大きな一歩が踏み出せるかもしれません。

SDGs社会の新たなプラットフォームの登場に期待が高まっています！

※サービス開始予定時期：2021年7月からベータ版のサービスを開始予定